2004-12-01から1ヶ月間の記事一覧

マザー・テスト

「最も美しい英単語はマザー(母親)」。英国の国際交流機関「ブリティッシュ・カウンシル」が、英語を母国語としない世界の4万人に尋ねた結果だという。以下パッション(情熱)、スマイル(笑顔)、ラブ(愛)と続いたが、70位までにファーザー(父親)…

可愛いおばあちゃん

口にするのも恐ろしい『オニババ化する女たち』(三砂(みさご)ちづる著、光文社新書)を書店でみつけ、レジの女性に「オニババにならないよう、若い女性必読だって」と軽口をたたいたら、「もうなっているかもしれませんよ」と返された。 月刊誌『POCO…

ポインセチア

「ポインセチア愛の一語の虚実かな」。角川源義の句である。師走の声を聞いて、街にはポインセチアの赤があふれている。クリスマスフラワーとしてのこれほどの流行は戦後のことだが、大正時代に寺田寅彦が書いた随筆には病気見舞いのポインセチアの話がある…

心のこもった相聞の年賀状

国文学者の池田弥三郎さんが富山県魚津市の大学に勤めていたころ、東京にいる友人の文芸評論家、山本健吉さんに手紙を書いた。文面はただ一行、「ブリさし、イカさし、さしすせそ」。 こちらの魚はうまいぞ、一緒に飲みたいね、という池田さんの心を読み取っ…

ジャン・コクトー

「ときどき思うのだが、どうして日本の画家や映画製作者たちは、天然色の漫画映画を作らないのだろう」「君、ウォルト・ディズニーの波を見たまえ。あれは(葛飾)北斎の波だよ」。 フランスの詩人ジャン・コクトーは、二・二六事件の余燼(よじん)くすぶる…